物語のクライマックスとなる最終回では、みやびが下す決断を巡って放送当時から激しい議論が巻き起こりました。初恋の相手である桜井からのプロポーズ、そして精神的支柱であった十倉との関係性という二者択一の局面で、みやびが辿り着いた境地には明確な意図が込められています。
桜井から真摯に「結婚しよう」と告げられたみやびは、長年追い求めた夢の成就を目前にしながら、その申し出を断る決断を下します。劇中でみやびが口にした「桜井くんと一緒にいる時の自分が一番好き」という言葉は本心でありながらも、彼に寄りかかるのではなく、自分自身の足で立ち、対等に向き合える自分でありたいという自己実現への自覚が勝った瞬間でした。
そしてラストシーン、みやびは十倉の店を訪れ、かつて十倉から突きつけられた言葉を堂々と投げ返します。
「私、結婚できないんじゃなくて、しないんです!」
互いに憎まれ口を叩き合いながらも、言葉の裏にある深い信頼と敬意を交わし合うみやびと十倉。二人が安易な恋愛関係や入籍という既存の枠組みに収まるのではなく、「魂のパートナー」として対等に並び立つラストカットは、視聴者に爽快な余韻を残しました。結婚をゴールとするのではなく、自己の主体性を獲得することこそが本作の提示した真のテーマでした。