一方で、SNSや知恵袋、ガジェットコミュニティでは「かっこいいと思って買ったが使いこなせず手放した」という声が一定数寄せられています。英語配列キーボードで後悔する理由を現場の利用実態から検証すると、主に以下の3つの壁に集約されます。
第1の壁は、「全角/半角」専用キーの不在による入力切り替えの心理的負荷です。日本語配列であれば左上のキーをワンタップするだけで切り替えが可能ですが、英語配列にはそのキー自体がありません。初期状態では「Alt + ~」や「Ctrl + Space」といった2キー同時押しを要求されるため、日本語の文章作成メインのユーザーは大きなフラストレーションを感じます。
第2の壁は、職場環境や共用端末との併用による「タイピング脳の混線」です。自宅ではこだわりの英語配列を使い、オフィスの支給PCや他人の端末では日本語配列を操作する場合、Enterキーの押し間違い(空振り)や、「@」や「:」を打つ際の手の迷いが頻発します。この認知的スイッチングコストが作業効率を相殺してしまうのです。
第3の壁は、ノートPC購入時の選択肢狭窄です。日本国内の店頭に並ぶ主要ノートPCの9割以上はJIS配列であり、英語配列モデルを手に入れるには公式直販サイトでのBTOカスタマイズや海外並行輸入品の取り寄せが必要となり、納期や即時交換性の面でハードルが生じます。