本来、ズッキーニはラタトゥイユやカポナータ、パスタなどイタリア料理や地中海料理のシンボルだった。しかし、日本における普及の歴史は、独自のローカル化の歴史でもある。みそ汁の具、浅漬け、豚バラ炒め、天ぷら。日本の家庭料理は、この淡泊な野菜を縦横無尽にアレンジしてきた。
ナスほど油を吸いすぎず、キュウリほど水分でべたつかない。この絶妙な特性が、日本の高温多湿な季節を乗り切る夏野菜料理の筆頭格として定着した理由だ。伝統的な和の調味料である味噌や鰹節、ポン酢との相性の良さは、本場ヨーロッパのシェフも舌を巻くレベルに達している。