実際に天文学的なマネーを手にした当事者や、それを目撃した関係者の証言を辿ると、金額の大きさがもたらす特異な心理的・社会的プレッシャーが浮かび上がります。
米国のスポーツドキュメンタリー番組やアスリートの自著・手記で幾度となく告白されているのは、「巨額契約を結んだ瞬間、人間関係が完全に変質した」という過酷な現実です。ある元メジャーリーガーは特番インタビューで、次のように生々しく語っています。
「契約書にサインした翌朝から、会ったこともない遠い親戚や学生時代の知人から数十通の資金援助依頼が届いた。『数億円持っているなら、1,000万円くらい恵んでくれても減らないだろう』という歪んだ甘えを向けられる。断れば冷血漢だと罵られ、人間不信で精神科医に通わざるを得なくなった」
SNSやネット掲示板(5chやYahoo!知恵袋)では、「1億ドル手に入ったら一生遊んで暮らせる」「仕事も人間関係もすべてリセットして南の島に行きたい」といった憧れの声が大半を占めます。しかし、現場のフィナンシャルアドバイザーや資産管理弁護士が目撃する現実は正反対です。急激な資産獲得によって金銭感覚が麻痺し、過剰な投資詐欺に巻き込まれたり、高リスクな事業に手を出して破産に追い込まれる事例は「サドン・ウェルス・シンドローム(突然富裕層症候群)」として学会でも深刻視されています。