刑法第81条に規定されている外患誘致罪は、諸外国における「国家反逆罪」に相当する規定の筆頭格です。条文は極めて短く、次のように定められています。
「外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。」
この条文の最大の特徴は、選択肢となる刑罰が一切用意されていない点にあります。殺人罪(刑法199条)ですら「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」と幅が持たされていますが、外患誘致罪には懲役刑も禁錮刑も罰金刑もありません。有罪が確定すれば原則として死刑が科されるという、現行の日本法制において群を抜いて苛烈な規定です。
外患誘致罪をわかりやすく捉えるならば、「他国の軍事力を引き入れて日本を破滅の危機に陥れる行為」を封じるための防衛的条文です。国家の存立そのものを根底から破壊する行為であるため、個人の生命侵害をはるかに超える最大級の罪責が設定されています。