自動車のナンバープレートに記載されているひらがな一文字は、単なるランダムな記号ではなく、道路運送車両法施行規則および国土交通省の自動車登録規則に基づき、用途ごとに厳格に区分されています。
日本のナンバープレートにおけるひらがなの割り当ては、大きく4つのカテゴリーに分類されています。
- 自家用乗用車:さ・す・せ・そ・た・ち・つ・て・と・な・に・ぬ・ね・の・は・ひ・ふ・ほ・ま・み・む・め・も・や・ゆ・ら・り・る・ろ
- 事業用自動車(緑ナンバー):あ・い・う・え・か・き・け・こ・を
- 駐留軍人軍属私用車両:E・H・K・M・T・Y・よ
- 貸渡用(レンタカー・カーシェア):わ・れ
一般車とレンタカーを明確に区別する制度が確立されたのは昭和30年代後半から40年代にかけてのモビリティ黎明期です。自家用車との混同を避け、税金や点検義務、事故時の責任追及をスムーズに行うため、識別しやすい独立したひらがなを割り当てる方針が固まりました。
「わ」が選ばれた理由については、一般に「車の輪(わ)」や「平和の和(わ)」、「貸し出しの輪を広げる」といった語呂合わせの俗説が語られる場面が多々あります。しかし、国土交通省の管理実務における真相は、「自家用(さ行〜ら行)で使用しなかった五十音末尾の余剰文字を貸渡用として割り当てた」という体系的な識別コードの策定が制度上の根拠です。
なお、ナンバープレートには視認性の確保や誤認防止のため、意図的に使用されない「欠番のひらがな」が4文字存在します。「お」(「あ」や「す」と見間違えやすいため)、「し」(「死」を連想させるため)、「へ」(「屁」を連想させ発声しづらいため)、「ん」(発音しにくいため)の4文字は、すべてのナンバープレートで除外されています。