インターネット上で「マテ茶 危険性」「マテ茶 発がん性」といった検索キーワードが見られます。この懸念の出所を辿ると、1990年代から2000年代にかけて国際がん研究機関(IARC)が発表した疫学調査に突き当たります。
結論から述べると、「適温で飲む通常のマテ茶自体に発がん性がある」という言説は誤解です。この問題の真相は以下の医学的・科学的事実に基づいています。
IARCによる再評価と温度要因の特定
南米の一部の地域では、茶葉を詰めた容器に80〜90℃以上の熱湯を注ぎ、金属製ストローで直接食道へ流し込む伝統的な飲用スタイルが存在しました。IARCが詳細な検証を行った結果、食道がんリスクを上昇させていた主因は茶葉の成分ではなく、「65℃以上の超高温液体が食道粘膜を物理的に熱傷・慢性炎症させ続けたこと」であると結論づけられました。
実際、2016年のIARCモノグラフ改訂において、マテ茶そのものは「グループ3(ヒトに対する発がん性について分類できない)」に位置づけられ、熱すぎる飲料全般(コーヒーや茶類を含む)が「グループ2A(おそらく発がん性がある)」として熱傷リスクへの警告がなされています。
カフェイン量と妊婦・授乳中の注意点
マテ茶のカフェイン含有量は100mlあたり約15〜25mgであり、ドリップコーヒー(約60mg)の半分以下、煎茶とほぼ同等です。
極端な過剰摂取(1日に2〜3リットル以上)を行わない限り、一般的な成人で副作用(動悸、不眠、胃のむかつきなど)が生じるリスクは極めて低いと言えます。ただし、妊婦・授乳中の方は胎児や乳児のカフェイン代謝能力が未熟なため、世界保健機関(WHO)や英国食品基準庁(FSA)が定める「1日あたりのカフェイン摂取目安量(200〜300mg以内)」を守り、1日マグカップ1〜2杯程度に留めるのが賢明です。