菊池桃子という人物の底知れぬ芯の強さは、その初期キャリアを振り返れば必然のようにも思える。1984年のデビューから翌年の大ヒット曲『卒業-GRADUATION』に至る清純派アイドル時代、そして1980年代後半に突如として結成し、当時の音楽シーンを大きく驚かせた伝説のロックバンド「ラ・ムー(RA MU)」。
時代の固定観念に縛られず、時に批判を浴びながらも新たな表現領域へ果敢に飛び込んでいった不屈のスピリット。それは母親となり、教育者となり、困難な子育てと向き合う際にも全くブレることがなかった。彼女が娘に伝えた最大の贈り物は、世間の評価に左右されず、自分らしく前を向いて生きるという表現者としての覚悟そのものだったと言える。