全国に博物館は数あれど、公立の「楽器専門」博物館は日本国内でここ浜松市楽器博物館のみです。1995年4月の開館以来、同館が国内外から絶大な支持を集め続ける最大の理由は、展示品の「質」と「量」、そして「音を聴かせる展示手法」の徹底にあります。
一般的な博物館にありがちな「ガラスケース越しに静止した工芸品を眺めるだけ」の鑑賞スタイルとは一線を画します。館内各所に設置されたモニターやヘッドフォンステーションでは、展示されている実物の楽器が実際にどのような音色を響かせ、現地でどのような文脈で演奏されていたのかを、高音質なアーカイブ音源と貴重な現地映像で即座に確認できます。
「楽器とは、人間が自らの声の延長として生み出した文化の結晶である」という展示理念のもと、地域や民族の優劣を一切排し、世界各国の音響文化を平等に扱うキュレーション方針は、国際的な音楽人類学の観点からも極めて高い評価を獲得しています。