『元祖!大食い王決定戦』で圧倒的な強さを誇り、小林尊らと共に黄金期を築いた白田信幸氏。彼が2007年、28歳という若さで電撃引退を決断した理由は、単なる気まぐれではありませんでした。
当時の特番インタビューや自著・回顧録において、白田氏は引退を決断した深層心理について次のように率直に吐露しています。「大食いは美味しいものを食べる行為ではなく、胃袋を極限まで酷使する極限の格闘技。競技として勝ち切った時、これ以上自分の内臓を痛めつける理由がなくなった」という、極めてアスリート的な自己認識です。
現役時代、彼は大会前の調整期に胃袋を極限まで押し広げるトレーニングを課し、試合後には激しい胃痛や体調不良と戦っていました。「味わって食べる」こととは対極にある「競技としての過食」に対する精神的な消耗戦、そして「テレビ東京の大食い王決定戦で前人未到の記録を達成した」という達成感が重なり、第一線からの完全撤退を決意させました。大食いというカルチャーの危険性と魅力を誰よりも熟知していたからこそ、引き際を自らコントロールした英断でした。