長年冷や飯を食わされてきた村上氏を総務相に抜擢した石破茂首相の決断は、永田町に巨大な衝撃波を走らせた。二人は長年、自民党内で非主流派の辛酸を舐め合ってきた同志でもある。妥協を嫌う論客同士の共闘は、石破内閣の「脱・派閥政治」のシンボルとして強く印象づけられた。
「大臣室に入っても態度は何も変わらない」。ある総務省幹部はそう苦笑する。官僚が用意した答弁書を棒読みすることを極端に嫌い、徹底的な政策議論を求める姿勢は省内を緊張させている。地方交付税の配分見直しや放送制度の改革など、既得権益が複雑に絡む分野において、忖度なしで切り込む姿勢は官僚機構にとって脅威そのものだ。
かつては党内の役職から干され、孤立無援の立場に置かれていた人物が、今や巨大官庁の指揮を執る。この劇的な力学の変化が、党内外の評価をさらに複雑なものにしている。