プロの門を叩く選手たちの中で、スカウト陣が「10年に1人の逸材」と声を揃えるトッププロスペクトの存在は、各球団の戦略を根底から揺さぶる。即戦力投手を確保して来季のローテーションを盤石にするのか、将来のクリーンナップを担う長距離砲を我慢強く育てるのか。フロントの設計思想がもっとも露骨に表れるのが第1巡目指名だ。
「競合を恐れて単独指名に逃げる球団は、結果としてチーム力を落とす」——あるパ・リーグ球団の編成担当者はそう言い切る。公言によって他球団を牽制する心理戦もあれば、あえて直前まで一切の情報を遮断する完全密行体制を敷く球団もある。超目玉と呼ばれる怪物候補には、すでに複数球団の競合が避けられない情勢だ。外れ1位の選定を含めたバックアッププランの精緻さが、ドラフト当日の勝敗を分けることになる。