新築から1〜2年ほど経過した住宅で、「部屋の隅の壁紙が裂けて隙間が空いている」「角のクロスに縦の亀裂が入った」と不安になるケースが後を絶ちません。実は、入隅の壁紙にひび割れや隙間が発生するのは、欠陥工事ではなく住宅の構造的な性質に起因する現象がほとんどです。
主な原因は次の3点に集約されます。
1. 木材・下地材の乾燥収縮
木造住宅の柱や間柱、下地となる石膏ボードは、季節ごとの湿度変化や経年によって微小な伸縮を繰り返します。壁面の中央では分散されるわずかな動きが、2面が固定されている入隅部分に集中し、表面のクロスを強く引っ張ることで裂け目が生じます。
2. 建物全体の微小な揺れや歪み
大型トラックの通行による振動、強風、地震などによって家全体がわずかに揺れた際、歪みの応力が最も逃げにくいのが入隅です。ボード同士の突き合わせ部分にズレが生じ、クロスが耐えきれずに破断します。
3. 内装仕上げ時の糊の乾燥収縮
施工時に使用した壁紙用接着剤や下地パテが完全に硬化・乾燥する過程で縮み、角の部分からクロスが引っ張られて剥がれ、入隅のクロスに隙間として現れることがあります。