ネット上では長年にわたり「元妻との離婚理由は浮気だったのではないか」「金銭トラブルか」といった憶測が飛び交ってきましたが、当時の取材関係者の証言や本人の回想を総合すると、決定打となったのは「海外生活における生活環境の過酷さと生活リズムの決定的な乖離」でした。
欧州トップリーグで戦うプロサッカー選手の生活は、遠征や移籍交渉、過密日程によるストレスに常に晒されています。一方で、日本でのキャリアを捨てて渡仏した前妻にとっても、フランス地方都市での暮らしは決して華やかなものばかりではありませんでした。言葉の壁や閉鎖的な現地コミュニティの中で孤立感を深めやすく、精神的な負担は想像を絶するものがありました。
家族社会学の視点から分析すると、夫婦の一方が「支える側」に完全に偏り、自己のアイデンティティや居場所を見失ってしまうと、健全な関係を維持するための心理的バウンダリー(境界線)が崩壊しやすくなります。松井氏がサンテティエンヌなど上位クラブへ移籍し、さらに競技に没頭する中で、夫婦間の会話や共有できる価値観がすれ違い、修復不可能な溝となって現れたのが離婚の真相と言えます。泥沼の裁判劇ではなく、お互いの将来を尊重した上での協議離婚であったことが、その後の双方の沈黙からも見て取れます。