「毛虫に触れたら激痛が走るのではないか」「失明する猛毒があるのでは」といった恐怖がネット上でも散見されますが、マイマイガの毒性に関しては科学的に正確な理解が必要です。
マイマイガの1齢幼虫には微細な毒針毛(どくしんもう)が存在します。孵化後間もない体長5mm前後の黒く小さな幼虫に直接触れてしまうと、毒針毛から分泌されるアレルギー物質によって、接触から数時間から半日後に赤い発疹(丘疹)や強いかゆみを伴う接触性皮膚炎を引き起こします。
一方、脱皮して2齢幼虫以降(体長約1cm以上)に成長すると、意外なことに毒針毛は完全に消失します。つまり、初夏に見かける巨大な毛虫自体には化学的な毒液は含まれていません。しかし、体を覆う硬い剛毛が皮膚に突き刺さることで、機械的・物理的な刺激による発赤やかゆみ、ミミズ腫れを生じることがあります。毒の有無にかかわらず、素手で触れるのは厳禁です。
万が一、マイマイガの幼虫に刺された・触れてしまった場合の皮膚炎対処は、初動の処置が明暗を分けます。
- 患部を絶対にこすらない:こすると皮膚に刺さった微細な毛が奥に入り込み、被害範囲が広がります。
- 粘着テープで毛を除去:セロハンテープやガムテープを患部に優しく貼り、そっと剥がして付着した毛を取り除きます。
- 流水で徹底的に洗い流す:強めのシャワーや流水で患部を洗い流し、皮膚表面に残る毛やアレルゲンを流去します。
- 抗ヒスタミン・ステロイド外用薬を塗布:かゆみや炎症を抑えるため、市販のステロイド軟膏を塗布します。症状が引かない場合や広範囲に及ぶ場合は、我慢せずに速やかに皮膚科を受診してください。