具体的なツボとして真っ先に挙がるのが、手の甲にある「合谷(ごうこく)」と、首元に位置する「人迎(じんげい)」だ。古くから東洋医学において、経穴(ツボ)療法は全身の気血の巡りを整える技術として伝承されてきたが、現代医学の観点からもその理にかなったメカニズムが解明されつつある。
親指と人差し指の骨が交わる凹みにある合谷は、頭部や顔面、喉のあらゆるトラブルに対応する万能穴として知られる。ここをやや強めに押し込むことで自律神経の緊張が和らぎ、全身の血流が促進される。一方、喉蓋の左右両脇、頸動脈の脈拍を感じる部位のすぐ外側に位置する人迎は、喉の筋肉へダイレクトに作用する。人迎の軽やかな圧迫は声帯周辺の筋緊張をほほぐし、発声障害を速やかに和らげる。日常的な声帯セルフケアの一環として知っておくべき、極めて重要な2大拠点と言える。