ネット上の映画コミュニティやSNSで最も激しい議論を巻き起こしたのが、2023年公開の東映70周年記念映画『THE LEGEND & BUTTERFLY(レジェンド&バタフライ)』の評価です。
レジェンド&バタフライの評判を検証すると、レビューサイトや映画掲示板では評価が二極化しました。総製作費が約20億円と公表されていたことから、興行収入24.7億円という着地に対してネット上では「大赤字ではないか」「期待外れ」といった厳しい声が上がったのは事実です。しかし、作品の内容に目を向けると、綾瀬はるか演じる濃姫との夫婦関係を軸に、戦国覇者ではなく「一人の孤独な人間」として織田信長の生涯を描き切った脚本・演出は、映画ファンから高い支持を獲得しています。「信長が本能寺の変で見せた夢のシーンに涙した」「泥臭い合戦描写と木村の鬼気迫る表情に圧倒された」といった熱量の高い感想が多く寄せられました。
それに対して、極めて高い満足度と商業的成功を両立させたのが『マスカレード・ホテル』シリーズです。原作の東野圭吾が「木村拓哉さんをイメージして主人公・新田浩介を書いた」と公言している通り、ホテルマンに扮する潜入捜査官のスマートさと泥臭さが完璧にマッチ。長澤まさみとの洗練されたバディ関係も好評を博し、映画レビューサイトのFilmarksや映画.comでも星3.8〜4.0前後の高水準なスコアを維持しています。リスクを取って人間ドラマの深淵に挑んだ『レジェバタ』と、エンターテインメントの王道を極めた『マスカレード』は、木村拓哉の映画キャリアにおける好対照な二大巨塔と言えます。