レジェンドの退任を受け、中継体制は抜本的な再構築を余儀なくされた。その渦中で存在感を示したのが、TBSアナウンサーの江藤愛をはじめとする実力派アナウンス陣だ。
世界陸上競技選手権大会の歴史において、タレント主体の熱狂型MCから、報道の正確性と深い寄り添いを両立させるスタイルへの移行は大きな賭けでもあった。江藤愛は徹底した事前取材と選手への深いリスペクトをベースに、落ち着きと情熱が同居するアナウンスで新たな視聴者層を開拓。過度な演出を削ぎ落とし、アスリートのありのままの表情を浮き彫りにする手法は高い評価を得た。
国立競技場で開催された2025年世界陸上競技選手権大会(東京)では、この新体制が本格的に試される場となった。地元開催のプレッシャーの中、スタジオと現場を結ぶシームレスな進行が実現し、次世代キャスター像の確かな手応えを残している。