日米の軍事アーカイブにおける機密解除や遺品整理の進展に伴い、これまで神話のように語られてきた彼の戦闘記録に関する一次資料が次々と明るみに出ている。米軍野戦病院の当直医が残したカルテには、全身火傷と無数の裂傷を負い、心肺停止状態で担ぎ込まれた一人の日本兵が「3日後に蘇生した」という驚愕の臨床記録が克明に記されていた。
単なる伝説ではなく、過酷な医学的事実として裏付けられた「不死身」の肉体。過酷を極めた戦場から生還し、のちに大盛堂書店の創業者として文化の復興に命を燃やした軌跡は、奇跡という安易な言葉では片付けられない不屈の意志を物語っている。