かつての邦画において、バイクは単なる移動手段や引き立て役に過ぎないことが多かった。その常識を根底から覆したのが、LDH JAPANが仕掛けた総合エンタテインメントプロジェクトである。
本物を追求するプロジェクトの姿勢に呼応したのは、世界的なコンペティションで名を馳せる日本のトップクラスのカスタムバイク業界の精鋭たちだった。「映画用だから見栄えだけでいい」という妥協は一切許されず、公道を走るショーカーと同等以上のクオリティと安全性が求められたという。メカニックたちは連日連夜ガレージに籠もり、金属板を手作業で叩き出し、フレームを溶接し直して究極の2台を組み上げた。
妥協なきクラフトマンシップが吹き込まれたからこそ、過酷なドリフト走行や急制動を繰り返すアクション映画の過激なカメラワークの中でも、バイクは一切の破綻を見せず、本物の重厚感を放ち続けたのである。