「高雄の紅葉は京都で一番早い」――古くからそう語り継がれてきた。しかし、近年の地球規模の気温上昇は、この山里の季節のクロックにも確実に影響を落としている。かつて10月下旬から始まっていた色づきは、近年では11月中旬以降へと移行し、見頃のピークがより遅い時期へシフトする現象が見られる。
だが、それは落胆を意味しない。グラデーションの期間が延びたことで、深緑から黄、そして燃えるような朱赤へと移り変わる幾重ものコントラストを長期間楽しめるようになった。参道の青もみじが放つ瑞々しい光と、晩秋の落葉が石段を染める絨毯のような美しさ。気候の変化に伴い、山が魅せる表情のバリエーションはむしろ豊かになっている。