1996年に公開された『映画クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』は、多くの視聴者の心に消えない傷痕を残した『トラウマアニメ』の代表格だ。群馬県に建設された夢のテーマパーク「ヘンダーランド」。一見華やかだが、一歩足を踏み入れれば無機質な人形たちが蠢く狂気の世界が広がっている。
特に雪だるまの「ス・ノーマン・パー」が見せる人間味を装った冷酷さや、おかまの魔女「マカオとジョマ」が放つ圧倒的な異彩は圧巻だ。追い詰められる野原一家の孤立無援感が、巧みなカット割りによって観客の心理をじわじわと追い詰めていく。