愛知県に誕生し大盛況を収めている「ジブリパーク」が、緻密に再構築されたテーマパーク型の体験を提供する一方で、この地にあるのは「素のままの自然」だ。アトラクションも看板も存在しない。だがそれこそが、不朽のファンタジーアニメが提示した「身近な自然への畏怖と愛着」をダイレクトに追体験させてくれる。
舗装された遊歩道を一歩外れると、土の匂いと腐葉土の柔らかさが足裏に伝わってくる。人工物に囲まれた日常から離れ、風の音に耳を澄ませる時間。観光地として作り込まれていないからこそ、来訪者は自分だけの「トトロの森」を心の中で完成させることができるのだ。