沖縄の甲子園史を語る上で、1958年の首里高校の物語を避けることはできない。当時はまだ米軍統治下にあり、パスポートを手に海を渡った球児たち。敗退後、甲子園の土を記念に持ち帰ろうとしたものの、植物防疫法によって那覇港の海に捨てられた。この悲劇が、沖縄の高校野球に「絶対にこの土を再び踏み、本土の強豪を倒す」という不屈の魂を植え付けた。
1990年、裁相吉監督率いる沖縄水産がみせた2年連続準優勝の悔しさ。そして2010年、興南高校が達成した史上6校目の「春夏連覇」。涙の歴史は歓喜の歴史へと塗り替えられ、沖縄の野球は「憧れ」から「覇者」へと決定的な変貌を遂げたのだ。