多くの消費者が抱く「駅弁は日持ちするように作られているはず」「有名百貨店や駅構内で売っているから安心」という認識には、現代のサプライチェーンにおける落とし穴が存在します。
かつての駅弁は、濃い味付けや酢締め、防腐効果の高い包材を用いることで常温保存に耐える設計が主流でした。しかし近年は健康志向や減塩トレンド、素材本来の風味を活かした「チルド・要冷蔵に近い仕立て」が増加しています。これに加え、全国の駅弁大会や催事向けに短期間で数千食単位をスポット生産するビジネスモデルが拡大した結果、現場の冷却設備や人員キャパシティを超過しやすい構造的リスクを抱えるようになっていたのです。