矢沢永吉『逃亡者』が放つ色気の正体|80年代の最高傑作を徹底解剖

矢沢永吉『逃亡者』が放つ色気の正体|80年代の最高傑作を徹底解剖

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1984年7月10日にワーナー・パイオニア移籍第1弾アルバム『E'』の先行シングルとしてリリースされた「逃亡者」(発売日:1984年7月10日)は、矢沢永吉がアメリカ・西海岸サウンドから大きく舵を切り、ロンドンレコーディングへ挑んだ転換点の象徴でした。

70年代後半のドゥービー・ブラザーズらとのコラボレーションに代表されるウェストコースト・ロック路線で世界基準のプロダクションを経験した矢沢は、80年代中盤、当時世界のポップミュージックを席巻していたイギリスのニューウェイヴやシンセポップの冷徹かつ先鋭的なグルーヴに着目。ピート・ハモンドをはじめとする現地の一流エンジニアやプレイヤーを起用し、硬質でシャープな音像を構築しました。

「逃亡者」の骨格を成すスリリングな打ち込みと生ドラムのコンビネーション、エッジの効いたカッティングギターは、従来の歌謡ロックや泥臭いガレージロックとは完全に一線を画すものでした。日本のロックが「都会的な大人のサウンド」へと進化を遂げた決定的瞬間が、まさにこのロンドンでのセッションに刻まれています。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。