台所用漂白剤といえば長年、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする塩素系が主役の座に君臨してきた。しかし、食器や調理器具に使う際の「ツンと鼻を突く塩素臭」「誤って衣類に付着した際の色抜け」「酸性洗剤との混触による有毒ガス発生リスク」といった心理的ハードルは根強い。
その対極として台頭したのが、過炭酸ナトリウムを主成分とする酸素系漂白剤だ。水に溶けると炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)と過酸化水素に分解され、最終的には水と酸素、そして炭酸ソーダという無害な物質へと還元される。環境負荷が極めて低く、有害な塩素ガスを発生させない安全設計こそが、食事を扱う現場で選ばれ続ける最大の理由である。
さらに、塩素系では変色や傷みの原因になりやすいメラミン食器やステンレス製水筒、布巾の柄物にも幅広く対応できる適応力の高さが、現代のキッチンワークを劇的に軽快なものへと変えている。