事件化の端緒の多くは、スマートフォンの持ち主である未成年の保護者による警察への相談だ。警視庁をはじめとする警察組織の少年事件捜査班は、押収した端末からLINEのトーク履歴、位置情報、削除された写真データを徹底的に復元・解析する。
密室で起きた出来事の立証において、第一線で活動する刑事弁護人は捜査機関の手法についてこう警鐘を鳴らす。「取調室に入った被疑者は、『お互い好き合っていた』と必死に弁明します。しかし、捜査員は年齢差や金銭のやり取り、社会的立場の優位性を丹念に突いて『相手の精神的未成熟を利用した』という調書を仕上げていく。一度署名押印してしまえば、公判で合意を主張して覆すのは極めて困難です」。
刑事司法の現場では、未成年側の供述が「大人の巧みな誘導に逆らえなかった」と変化することも珍しくない。保護者からの叱責や教育的プレッシャーを受けた少年少女が、自己防衛のために自発性を否定し、結果として成人側が一方的な加害者として仕立て上げられる構図が日常的に発生している。