当時、ハロー!プロジェクトの総合プロデューサーとして破竹の勢いを誇っていたつんく♂。彼が作詞・作曲を手掛けたこの楽曲には、ヒットメーカーならではの緻密な心理ロジックが組み込まれている。表面上は「恋に浮かれる女の子の可愛いラブソング」に見えるが、歌詞の行間を精読すると、片思い特有の孤独感や情緒の不安定さが極めてリアルに描かれていることが分かる。
つんく♂の制作裏話として有名なのは、彼が常に「歌い手(松浦亜弥)のリアルな吐息や感情の揺れ」を歌詞の語尾や韻に落とし込んでいた点だ。「桃色の片思い」というフレーズ自体、ただの可愛らしい色合いの形容ではない。頬が赤らむ興奮と、同時に自分ではコントロールできない情熱に対する恐怖や焦燥感が、「桃色」という複雑な色に託されているのだ。ソロ歌手としての松浦亜弥の圧倒的な歌唱ポテンシャルを見抜いていたからこそ、つんく♂はあえて高度な感情表現を要求するリリックを授けたと言える。