本作を『SFループ漫画』として見立てた時、最も恐ろしいのはハッピー道具がもたらす因果の歪みだ。「リボン」や「カメラ」といった一見可憐なアイテムが、死や記憶の改変を容易に引き起こすツールへと変貌する過程は恐怖すら感じさせる。便利すぎる道具が人間の倫理観を麻痺させていく。
記憶を保持したまま過去をやり直すことの代償は重い。ループを重ねるごとに東の精神は破綻へと向かい、しずかの心もまた擦り減っていった。道具によって運命を捏造しようとする試みは破綻し、最終的に「道具に頼らない生の会話」だけが破滅を食い止める鍵となった点は秀逸と言える。