高畑充希が長年親しまれたロングヘアに別れを告げ、約40cmものカットに踏み切ったのは、2022年1月期放送の日本テレビ系主演ドラマ『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』の制作現場でした。制作発表記者会見および各種インタビューにおいて、本人は「30歳という節目のタイミングで、受動的な平社員からいきなり子会社の社長に抜擢される主人公・雛子の奮闘を視覚的にも体現したかった」と述懐しています。
それまでの彼女は、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(2016年)や『過保護のカホコ』(2017年)などで見せた、どこか素朴で守ってあげたくなるような、丸みのあるミディアム〜ロングヘアが印象的でした。しかし、仕事に葛藤しながら自らの足で立つ等身大の女性リーダーを演じるにあたり、従来のイメージを大胆にリセットする道を選んだのです。
当時の特番インタビューやスタイリストの証言によると、「髪を切った瞬間に視界が開け、背筋が自然と伸びる感覚があった」と語られています。芸能ジャーナリズムの視点から見ても、この劇的なヘアカットは「都合の良い可憐なヒロイン」から「能動的に運命を切り拓く表現者」への明確な脱皮であり、現在に至る彼女の凛としたパブリックイメージを決定づける転換点となりました。