福祉用具の現場で最も悔やまれるケースが、ネット通販や中古リサイクルショップで「安物買いの銭失い」をしてしまうパターンです。一般の通販サイトでは、海外製の電動リクライニングベッドが5万円前後の格安で販売されていますが、これらは「生活支援用のリクライニングベッド」であって「医療・介護用ベッド」ではありません。
介護用の特殊寝台は、JIS規格(JIS T 9254)によってサイドレールの隙間に利用者の頭部や手足が挟まり窒息・骨折事故を起こさないよう、数ミリ単位の安全基準が厳密に定められています。非規格の安価な電動ベッドに市販の手すりを無理やり取り付けた結果、隙間に首を挟んで死亡するという痛ましい事故が全国で散発しています。公的保険で認可されているレンタル品は、このJIS規格適合品のみが厳密に管理・消毒されて供給されているという安全上の決定的な違いが存在します。
さらに「中古品だから衛生面が不安」という懸念も完全な誤解です。認可事業者が運営する福祉用具メンテナンスセンターでは、オゾン燻蒸による完全殺菌、高圧洗浄、パーツごとの紫外線照射など、病院の手術室と同等レベルの高度な衛生管理ラインが敷かれています。梱包を解いた瞬間は新品同様に再生されており、粗悪なリサイクルショップの中古品を購入するよりも遥かに清潔で安全です。