コラボ楽曲のMV撮影直後、米津玄師と宇多田ヒカルはスペシャル対談を行った(前編・後編が公式チャンネルおよび音楽専門メディアで公開)。この対談こそが、ネット上でのさらなる話題爆発の導火線となった。
最も注目を集めたのは、「自分の声がずっと好きじゃなかった」という、ふたりに共通する告白だ。日本を代表するボーカリストがそれぞれ、自身の声に長年コンプレックスを抱いていたという事実は、多くのリスナーに「あの歌声でも?」という衝撃を与えた。米津玄師は独特の低音と変化に富むファルセットで知られ、宇多田ヒカルはR&Bのフィーリングと日本語の抑揚を融合させた声で一世を風靡してきた。その双方が「自分の声が嫌いだった時期があった」と語るという事実は、単なる自己卑下ではなく、アーティストとして真摯に自己と向き合ってきた証左でもある。
後編の対談では、さらに興味深い共通点が浮かび上がった。両者はそれぞれ子ども時代に漫画家を夢見ていたという過去を持ち、現在はCERNや素粒子物理学など最先端科学に強い関心を抱いているという。米津玄師がビジュアル面・世界観構築において独自のアート感覚を持つことは広く知られているが、宇多田ヒカルもまた知性派の一面を持ち、科学や哲学への探求心をたびたびSNSや対談で表明している。音楽という表現形式に行き着くまでに、両者が共通して「別の創作への憧れ」を経由していた——この事実は、ふたりの芸術的深みの源泉を考える上で重要な手がかりとなる。