検索エンジンやSNS上で伊右衛門カフェについて調べると、「伊右衛門サロンと何が違うのか分からない」「店舗が減って閉店したという噂を聞いたが本当か?」といった疑問や誤解が散見されます。ここには、ブランド戦略の構造を知らないことによる典型的な混同が存在します。
まず明確にしておくべきなのが、「伊右衛門サロン(IYEMON SALON)」と「伊右衛門カフェ(IYEMON CAFE)」の業態の違いです。2008年に京都で誕生した「伊右衛門サロン(現在は京都東山や渋谷ヒカリエ等で展開)」は、大釜で炊き上げたご飯や本格的なコース料理、さらには抹茶を使ったカクテルなどのアルコール類まで提供する「フルサービスのダイニング&ラウンジ」です。対して、2019年12月に誕生した「伊右衛門カフェ」は、忙しい日常の合間にクイックかつ手頃な価格で立ち寄れる「ファストカジュアル型のウェルビーイング・カフェ」として設計されています。価格帯も伊右衛門サロンのディナーが3,000円〜5,000円前後であるのに対し、伊右衛門カフェは終日1,000円〜1,500円前後で完結します。
次に、「閉店店舗の経緯と噂の真相」について検証します。過去に営業していた大阪・梅田のディアモール大阪店や京都烏丸店などが閉店したことから、ネットの一部では「業績不振で撤退したのではないか」と囁かれたことがありました。しかし、流通・外食業界の取材データを紐解くと実態は大きく異なります。コロナ禍以降の都市部における人流変化や商業施設の大型リニューアルに伴い、運営元のカフェ・カンパニーは「地下街の通過型立地」から「オフィスワーカー・買い物客・ファミリー層が長時間滞留する高トラフィック拠点」へと店舗ポートフォリオの選択と集中を断行しました。
2026年現在、営業している中核店舗は以下の3店舗に集約され、それぞれが極めて高い稼働率を維持しています。
- 伊右衛門カフェ 品川店(品川フロントビル 1F):新幹線・空港アクセスの要衝である品川駅港南口エリアに位置。平日は周辺企業のビジネスパーソンのランチ&ワークスペースとして、土日祝日は朝8:00からの朝食営業を実施し、旅行客や近隣マンション住民のモーニング需要を独占しています。
- 伊右衛門カフェ ラゾーナ川崎プラザ店(2F):国内屈指の売上を誇る大型商業施設内の店舗。ベビーカー連れのファミリーや三世代での買い物客が多く、週末は整理券が配布されるほどの人気拠点です。
- 伊右衛門カフェ 恵比寿ガーデンプレイス店(センタープラザ B1F):健康意識の高い30代〜50代のワーカーや住民が集うエリア特性にマッチし、テイクアウトの抹茶ラテやヴィーガン・ギルトフリー系スイーツの売上比率が高い店舗です。