家を建てる際、設計士から「建築基準法をクリアしているので問題ありません」と説明されると、多くの施主は安全な階段が完成するものと安心します。しかし、ここに大きな落とし穴が存在します。
建築基準法階段寸法基準(住宅用)で定められている最低ラインは以下の通りです。
- 蹴上げ(階段1段の高さ):23cm以下
- 踏面(足を乗せる踏み板の奥行き):15cm以上
- 階段の幅:75cm以上
この基準ギリギリで施工された階段の勾配(傾斜角度)は約57度にも達します。これは登山道やハシゴに近い感覚であり、成人男性の足のサイズ(26〜27cm)を乗せると、かかとの半分近くが板からはみ出してしまいます。特に下り階段ではつま先立ちのような体勢を強いられ、少しの踏み外しが大事故につながる危険性を孕んでいます。
建築基準法に定められている数値は「最低限これ以上危険にしてはならない」という法的なデッドラインに過ぎず、家族が日常的に快適に昇降できる寸法とはかけ離れている実態を認識する必要があります。