リフィル(替芯)の透明な軸を通してインクが十分残っているのが見えるのに、なぜ文字が書けなくなってしまうのでしょうか。ペン先は非常に精密な構造で作られており、わずかな環境変化や使い方によってインク供給がストップしてしまいます。主なボールペンのインクが出ない原因は以下の4点に集約されます。
第1に挙げられるのが、ペン先のインク乾燥と固まりです。特に油性ボールペンは溶剤が少しずつ揮発しやすく、しばらく使わずに放置しているとペン先の隙間でインクが固着し、ボールの回転を阻害してしまいます。
第2の原因は、ペン先から内部へ空気が入った状態です。カレンダーや壁に貼ったメモに文字を書く際、ペン先を水平より上に向ける「上向き筆記」をすると、重力によってインクが後退し、ペン先から空気が吸い込まれてしまいます。一度空気が噛んでしまうと、インクがボールまで届かなくなります。
第3に、紙の繊維や皮脂によるペン先の詰まりです。感熱紙やコート紙、手の油分が付着した紙の上に筆記すると、微細な異物がボールの隙間に巻き込まれて目詰まりを起こします。
第4に、インク自体の劣化や分離です。特にゲルインクボールペンは水分と溶剤の絶妙なバランスで粘度を保っているため、経年劣化によってゲル構造が破壊されると、インクがかすれるトラブルを引き起こします。