厨房で腕を振るうシェフの手元を凝視すると、ここが立ち飲み屋であることを一瞬で忘れてしまう。旬の極上食材を使ったジビエ料理、炭火でじっくり火入れされた熟成肉、手作りのシャルキュトリ。どれをとっても第一線のフレンチレストランで提供されておかしくないレベルだ。
季節ごとに刷新されるメニューは、常連客すら飽きさせない。「椅子がないから長居しない」どころか、「次の皿が食べたいから立ち続けたい」と思わせる求心力がそこにはある。一口味わうごとに、立ち飲みというカジュアルな文脈と料理の本格度とのギャップに、誰もが唸らされるのだ。