両者の最大の違いは、車両の基本骨格における全高と最低地上高(ロードクリアランス)の設計思想にあります。ステーションワゴンはセダンをベースに荷室を後方へ拡張した構造を持ち、全高はおおむね1,450mm〜1,500mm前後に抑えられています。これに対し、一般的なSUVは悪路走破性を確保するため最低地上高を180mm〜220mm程度まで持ち上げ、全高も1,600mm〜1,750mm前後に達します。
この全高の差が、走行性能に直結します。物理の原則として、重心(CoG)が低いステーションワゴンは、カーブを曲がる際の横揺れ(ロール)が極めて小さく、高速道路での横風にも煽られにくい強みを持っています。長距離ツーリング時の疲労感において、走行安定性評判でワゴンが常に高いスコアを記録するのはこのためです。
一方で、悪路走破性比較においては、アプローチアングルやロードクリアランスに余裕があるSUVが優勢です。未舗装路や深い轍(わだち)のある雪道、段差の激しいキャンプサイトなどでは、ワゴンのフロア下を擦るリスクをSUVが解消してくれます。
なお、自動車検査証(車検証)を確認すると、多くのSUVが車体形状欄に「ステーションワゴン」と記載されています。国土交通省の登録区分上、乗用車の形状表記が「箱型」「ステーションワゴン」「幌型」などに限定されているためですが、法的な分類上は同類であっても、実際のドライビングフィールは完全に別物です。