大阪の春の風物詩といえば「桜の通り抜け」だが、この博物館自体が持つ歴史的価値も見逃せない。明治時代に建てられたレンガ造りの火力発電所を改装した建物は、それ自体が国の重要文化財級のオーラを放っている。日本の近代工業化の幕開けを告げた場所であり、西洋の技術をいち早く取り入れた当時の熱気が今も壁一枚隔てた向こう側に息づいている。
館内に一歩足を踏み入れれば、明治初期のガス灯や、実際に稼働していた巨大な圧印機が展示されており、まるでタイムスリップしたかのような錯覚に陥る。近代日本の背骨を作ったのは、まさにこの場所で刷り出された貨幣だったのだ。