インタビューで彼はしばしば、「自分の演技に満足したことは一度もない」と語る。自己評価の低さとも取れるその言葉の裏には、表現に対する飽くなき探求心が隠されている。自分を信じないからこそ、他者(役柄)を深く理解しようとするアプローチが生まれるのだ。
台本を読み込む際、彼はキャラクターの履歴書を自ら作成するという。描かれていない過去、家族構成、好きな音楽までを想像し、役の「骨格」を作り上げる。この緻密な作業が、どんなに奇抜な設定の役であっても、観客に「本当に実在するかもしれない」と思わせる説得力を生み出している。