事の始まりは2020年に遡る。エマニュエル・マクロン大統領の指示により、大統領府に掲げられる旗の青が、それまでの明るいコバルトブルーから、より暗いネイビーブルーへと差し替えられた。この変更は公式に発表されることなく、メディアが気づくまで1年以上も「秘密」にされていたのだから驚きだ。
なぜ変えたのか。公式な理由は「1794年のフランス革命時の色に戻すため」という歴史への敬意だった。しかし、政治アナリストたちの見方は異なる。EUのシンボルマークである青い旗と同化するのを避け、フランス独自のアイデンティティを強調したかったのではないか、という指摘だ。たった一色の明度を下げるだけで、国家の姿勢を表明する。これこそが、フランスが得意とする高度な政治的演出である。