彼の原点は2009年の『侍戦隊シンケンジャー』にある。レッド役で鮮烈なデビューを飾ったが、その後の歩みは同世代の若手俳優たちとは明らかに一線を画していた。王道の爽快なヒーロー像に安住することを拒み、あえて汚名や人間の醜悪さを引き受ける役柄へと果敢に舵を切った。
その覚醒が白日の下に晒されたのが『孤狼の血』シリーズだ。暴力と欲望が渦巻く極道の世界で、清濁併せ呑む刑事の日岡秀一役を熱演。血と泥にまみれながら叫ぶその姿は、観客の度肝を抜いた。さらに国家権力の暗部に切り込んだ『新聞記者』では、組織と良心の狭間で苦悶するエリート官僚の葛藤を繊細に体現。見事に日本アカデミー賞最優秀主演男優賞をはじめとする名だたる映画賞を総なめにし、名実ともにトップランナーとしての地位を決定づけた。