チケット発券後にSNSや質問サイトで最も多く検索されているのが、「1階席の段差と傾斜」に関する懸念です。ネット上では「前の人の頭でセンターが完全に消えた」「前の人が大柄だと絶望的」という口コミが散見されますが、この指摘は劇場の構造上、紛れもない事実に基づいています。
建築工学的な視点から分析すると、よみうりホールの1階席は1列目から6列目付近まで床面がほぼフラット(水平)に近い設計になっています。さらに、座席配列が前の席と左右交互にズレる「千鳥配置(スタッガード配列)」ではなく、前後の座席が真っ直ぐ縦に並ぶ「並行配置」を採用しています。この2つの要素が重なることで、前の座席に座る観客の頭部が、舞台中央に立つ演者の足元から胸元ラインに直接重なってしまう「アイレベル(目線)の死角」が構造的に発生します。
7列目から12列目にかけてようやく緩やかなスロープが始まりますが、傾斜の角度自体は非常に控えめです。舞台上の高さがあるため、1〜3列目の最前ブロックであれば見上げる角度で見通せますが、中途半端な前方列(4〜8列目付近)かつ座席がセンター寄りの場合、前列の観客の座高や姿勢(前かがみ姿勢など)に視界が大きく左右されるリスクを孕んでいます。