現在でこそトップ声優としてその名を知られる神奈延年だが、その表現活動のルーツは極めて早い段階に遡る。幼少期に劇団ひまわりや劇団こまどりに所属し、子役としてテレビドラマや舞台など実写の現場で演技の基礎を徹底的に叩き込まれた。
声優デビュー当初は本名である「林延年」の名跡で活動していた。1990年代のアニメシーンにおいて、テレビアニメ『疾風!アイアンリーガー』の極十郎太役や『SLAM DUNK』の神宗一郎役、大楠雄二役などで頭角を現し、瞬く間に若手有望株としての地位を確立する。転機となったのは2000年代初頭、芸名を現在の「神奈延年」へと改名したことである。画数や心機一転の意味合いを含めた改名を経て、役者としての重厚感と凄みはさらに磨きがかかることとなった。
神奈延年の芝居における最大の特徴は、単なるアニメ的な記号論にとどまらない「肉体性を伴った発声と心理描写」にある。子役時代に全身を使って感情を表現してきた現場経験が、マイク前という制約された空間の中でもキャラクターの息遣いや体温をありありと立ち上がらせる原動力となっている。