圧倒的な威力を誇る一方で、プレイヤーコミュニティで最も鮮烈な記憶として刻まれているのがナイツオブラウンド演出時間の長さです。当時の実測値にしておよそ80〜85秒。戦闘コマンドを1回選択してから技が終了するまでに、丸々1分20秒以上コントローラーを置いて待たされる計算になります。
当時のゲーム雑誌の投書欄や、後のインターネット掲示板・SNSにおける回顧録では、この長大な演出時間に関するリアルな証言が溢れています。
「召喚ボタンを押してからトイレに行って戻ってきても、まだアーサー王がエクスカリバーを振り下ろしていなかった」「エメラルドウェポン戦でWしょうかんものまねを繰り返す間、テレビの前で夜食のカップラーメンにお湯を注いで食べ終えた」といったエピソードは、単なる誇張ではなく当時のゲーマーたちの共通体験でした。
1997年当時、PlayStationが切り拓いたリアルタイム3DCGの迫力は間違いなく世界最先端であり、13人の騎士が入り乱れる大スペクタクルは開発陣の技術的誇りの結晶でもありました。しかし、戦闘のテンポを著しく削ぐ側面があったことも否めず、映画的演出とゲームプレイの快適性という現代に続くゲームデザインのジレンマを、このマテリアはすでに提示していたと言えます。