地方鉄道の存廃やローカル線の維持管理が社会問題化する中、土讃線は「大都市直結の高速都市間輸送」と「急峻な過疎山岳地帯の生活インフラ」という二面性を背負った稀有な幹線です。移動手段としての土讃線の利用を判断するにあたり、以下の明確な基準を提示します。
■ 土讃線の特急・列車利用を強くおすすめできる人
- 岡山・山陽新幹線経由で高知へ向かう人:乗り換え1回で高知駅中心部に直着できる定時性と快適性は航空機や長距離バスを凌駕します。
- 大歩危・小歩危や吉野川の自然を間近に楽しみたい人:高速道路(高知自動車道)のトンネル連続区間では決して見られない、日本有数の渓谷美が車窓一面に広がります。
- 坪尻駅探訪や観光列車に乗車したい旅行者:スイッチバックや地域の食文化を組み込んだ観光体験は、鉄道でしか得られない唯一無二の価値があります。
■ 慎重に検討・代替ルート(高速バス等)を考慮すべき人
- 乗り物酔いしやすい体質の人:2700系の振子傾斜と山岳カーブの連続は、三半規管に相当な負荷がかかります。酔い止め対策を講じるか、比較的揺れの少ない高速バスの検討が必要です。
- 台風・大雨・降雪予報が出ている旅程の人:山岳区間の雨量規制による運休リスクが極めて高いため、天候悪化時は運行状況を直前まで注視し、早期に別ルートへの切り替えを判断してください。
- 完全キャッシュレス・交通系ICカードのみで移動したい人:前述の通り琴平以南はICカードが一切使えないため、切符の手配や現金支払いに強い抵抗がある場合はストレスの原因となります。