イカの腹はどっち?向きを間違うと危険!プロ直伝の見分け方と下処理

イカの腹はどっち?向きを間違うと危険!プロ直伝の見分け方と下処理

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日常会話で「あの人は腹黒い」と表現される慣用句がありますが、水産業界や生物学の世界では「イカの腹黒さ」は全く異なる文脈で語られます。ネット上の一部掲示板やSNSでは、「内臓が黒いイカは病気にかかっているのではないか」「毒があるから食べてはいけない」といった誤った言説が散見されますが、これは完全な誤解です。

イカの体内を観察すると、肝臓の腹側に沿って細長い「墨袋(インクサック)」が配置されています。この墨袋の表面は、銀色に美しく光る強固な皮膜で覆われています。銀色に見えるのは、内部の濃厚なメラニン色素が漏れ出すのを防ぎ、周囲の組織へ色素が沈着しないよう保護するための高度な生体バリアです。

では、なぜ調理時に「中が真っ黒」になる事態が起きるのでしょうか。その原因は主に以下の2つです。

  • 死後時間経過による自己消化:鮮度が著しく低下したイカは、自身の消化酵素によって内臓組織が崩壊します。すると銀色の膜が破れ、墨が胃や肝臓、外套膜の内側に染み渡り、全体が文字通り「腹黒い」状態に変色します。
  • 漁獲時のショックによる体内破裂:釣り上げられた際や網の中で強い圧力が加わった個体は、体内で墨袋が破断した状態で市場に流通することがあります。

墨自体に毒性は一切なく、イカスミパスタなどに利用される通りアミノ酸やグルタミン酸が豊富に含まれています。ただし、鮮度低下によって墨が回っている場合は、内臓の腐敗臭が身に移っている可能性が高いため、生食は避け、加熱調理に回すか破棄する判断が賢明です。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。