「いいんですか?」が世に送り出されたのは、2006年12月6日発売のメジャー2ndアルバム(通算4枚目)『RADWIMPS 4 〜おかずのごはん〜』です。バンドが名実ともに全国区のロックバンドへと駆け上がる決定打となった同アルバムにおいて、本作はシングルカットされていないアルバム曲でありながら、圧倒的なリードトラックとしてファンの心を掴みました。
フロントマンの野田洋次郎は当時の音楽誌インタビューや手記において、楽曲制作の動機を極めて率直に吐露しています。それまでのRADWIMPSに見られた哲学的かつ思弁的な葛藤、時に攻撃的ですらあった内省から一歩踏み出し、「目の前にいる大切な存在に対する無防備なまでの愛と感謝」をストレートに表現した点に本作の革新性がありました。
歌詞の中心にある「いいんですか 良いんですか こんなに人を好きになっていいんですか」というフレーズは、単なる惚気(のろけ)ではありません。過去の傷や自己否定を抱えた人間が、誰かを激しく愛することを通じて自分自身の存在をも赦(ゆる)していくという、心理学的な自己受容のプロセスが克明に描かれています。「お前」という親密な二人称、日常の他愛ない食事の風景、そして相手への感謝を数え切れないほど積み重ねる構成は、聴き手に強烈なカタルシスを与え続けています。