相撲ファンのみならず一般世論でもしばしば混同されるのが、「歴代の若乃花」の関係性です。結論から言えば、二代目若乃花は花田一族の「血縁」ではありません。初代若乃花(花田幹憲)の愛弟子であり、長女と婚姻関係を結んで一時期義理の息子となったものの、血のつながりを持つ直系親族ではありませんでした。
これに対し、平成の若貴ブームを創出した三代目若乃花(花田虎上)は、初代貴ノ花の長男であり、初代若乃花の甥にあたります。歴代3名の若乃花はいずれも横綱まで登り詰めた大相撲史上の奇跡的な名跡ですが、その背景と立ち位置には大きな相違点が存在します。
相撲関係者の回顧録によると、二代目は師匠である初代若乃花からその素質を極めて高く評価され、後継者候補として全幅の信頼を置かれていました。しかし、その「初代の娘婿」という重責は、名門部屋の内外における人間関係に複雑な影を落とすことにもなったのです。