作品全体の大きなハイライトであり、読者に計り知れない衝撃を与えたのが、爆豪からデクへの謝罪シーンです。「爆豪の謝罪は何話なのか」と検索するファンが後を絶ちませんが、該当エピソードは原作コミックス第33巻・第322話「神野の悪夢」、テレビアニメでは第6期第23話(通算136話)「未成年の主張」にあたります。
すべてを一人で背負い込み、心身ともに限界を迎えてボロボロになりながら孤立無援で戦い続けていたデク。そんな彼を連れ戻すため、雄英高校1年A組の仲間たちが総出で立ちふさがった雨の場面で、爆豪は初めて心の仮面を外しました。
「おまえを否定したくて、上に立ちたくて、ずっと避けて見下していた。でも本当は、おまえの真っ直ぐさが怖かったんだ」
泥水に膝をつき、頭を下げて紡がれた「今まで本当にすまなかった」という言葉。幼少期から「デク」と蔑称で呼び続けていた相手を、生まれて初めて「出久」と本名で呼んだ瞬間でした。
この謝罪は単なる表面的な反省ではありません。自分の優越感を守るために相手を貶めていたという醜い本質を、プライドの塊であった少年が全校生徒や仲間の前で赤裸々に認めたのです。自己欺瞞を完全に捨て去ったこのシーンは、少年漫画史に残る屈指の心理劇として絶賛されています。